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独立行政法人国立病院機構 函館病院

呼吸器科からのお知らせ

肺癌について

2009.12.2

  • 肺癌とは
     肺に発生する癌のことをいいます。単に「肺癌」という時は肺自体から発生する原発性肺癌をのことをさすことが多く、他の臓器から転移してきた癌(転移性肺癌)とは区別されます。
    肺癌は徐々に増加しており、男性では癌死亡率の1位、女性では2位となっています。
  • 肺癌の種類
     肺癌は組織学的に、小細胞癌と非小細胞癌(扁平上皮癌・腺癌・大細胞癌など)に分類されます。小細胞癌と扁平上皮癌は比較的太い気管支にできることが多く、喫煙との関係が濃厚とされています。
  • 肺癌の症状
     肺癌が小さいうちは無症状のことが多く、主に胸部レントゲンで発見されます。肺癌が大きくなると、咳・痰・血痰・胸痛・背部痛・息切れ・声がかすれる・発熱・体重減少などの症状が出現します。肺癌が小さくても太い気管支にできると、咳・痰・血痰などの症状が出やすくなります。
  • 肺癌の診断
     胸部単純X線写真・喀痰細胞診・胸部CT・脳MRI・腹部CT・シンチグラム・気管支鏡検査などで、組織型・進行度を把握します。診断が困難な場合は、胸腔鏡を使って手術的に腫瘤を取って調べることもあります。

  • 肺癌の治療
     肺癌の治療には、外科療法(手術)・化学療法(抗癌剤投与)・放射線療法などがあります。
     小細胞癌は、一般に進行速度が速いため、発見された時には進行していることは多く、手術されることはありません。化学療法・放射線療法あるいはそれらを組み合わせた放射線化学療法が行われます。小細胞癌は、非小細胞癌に比べて化学療法や放射線療法が効きやすい傾向にあります。
     非小細胞癌は、検診などで比較的早く発見されることもあり、その場合は手術が行われます。手術前あるいは後に化学療法・放射線療法が行われることもあります。進行癌に対しては、化学療法・放射線療法あるいは放射線化学療法が行われます。
  • 最後に
     肺癌は、発見された時には進行していることの方が多いため、治癒することがまだまだ多くない病気ですが、検診などで比較的早い時期に発見された方の中には治癒している方もかなりいらっしゃいます。また、化学療法や放射線療法の成績も徐々にですが、以前に比べると向上しています。

※喫煙者の方で、肺癌の不安をお持ちの方は国立病院機構函館病院呼吸器科を受診してください